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試験で時間が足りない原因は?
時間が足りない原因の一つは、速読が出来ていないことです。
英文を読む速度は、1分間に読める単語数を測定することで計算することができます。この測定法は、wpm(word per minute)=1分間に読める単語数というものです。高校生の一般的な読む速度は75wpmと言われています。
そこで、実際の入試の制限時間と問題量との関係から、一体必要とされる速読のレベルがどれくらいなのか考えていきたいと思います。
難関・中堅私大の入試英語単語数
≪同志社大学 2021年度2月5日≫
合計3118単語 (問題文…2277単語 設問…841単語)
制限時間は100分です。
合計3118単語を読むだけで、
75wpmなら41分34秒
150wpmなら20分47秒必要とされます。
そこには問題文を読むだけではなく、正答を導き出すために考える時間、見直しをする時間も含みたいですよね。75wpmでは、験時間の大半を読む時間に費やしてしまいます。
他の大学も見ていきましょう。
≪関西学院大学 2021年度2月4日≫
合計2912単語 (問題2085単語 設問827単語)
制限時間90分
合計2912単語を読むのに
75wpmなら38分50秒
150wpmなら19分25秒
≪立命館大学 2021年度2月2日≫
合計3070単語(問題2329単語 設問741単語)
制限時間80分
合計3070単語を読むのに
75wpmなら40分56秒
150wpmなら20分28秒
≪関西大学 2021年度2月5日≫
合計3261単語 (問題1985単語 設問1276単語)
制限時間90分
合計3261単語を読むのに
75wpmなら43分29秒
150wpmなら21分44秒
≪近畿大学 2019年1月26日≫
合計2104単語(問題1103単語 設問1001単語)
制限時間60分
合計2104単語を読むのに
75wpmなら28分3秒
150wpmなら14分2秒
速読できる人のほうが正答を導きだすために考える時間があるのは一目瞭然ですよね。
速読力を鍛えるために
英語長文の速読で目指すレベルは、1分間に150単語のペースで英検2級レベルの長文をサッと1回読んで理解できるレベルです。
この為には、英単語などを1つ1つで理解していたものを、グループ(バルク)で理解できるような神経細胞に変えて行く必要があります。
例えば、初歩的な例で言うと、 good morning を「良い」「朝」はなく、瞬時に「おはよう」と理解できますよね?
じゃ、 … take it for granted that anyone who ….. とかも瞬間に反応できますか? the ….ly ってきたら次に少なくとも単語が何個来て1つのグループを作るかサッと感じとれますか??このように、ある程度まとまったグループごとにサッと理解できる個所を増やしていく作業が、音読復習となります。これは、回数をこなすだけで脳内にこれができる回路が作られていきます。
よく「1回読んで内容が分かっているのに、何回も読まないとだめなの?」と質問を受けます。
この音読復習の反復練習は、「内容」ではなく「英文に素早く反応して速く読み進める」ための経験というか、「型」を脳内に作って行く作業になります。柔道や剣道の打ち込み、野球の素振りやノックに相当します。テニスのサーブやサッカーのフリーキックも何回も練習するのと同じです。ちなみにプロスポーツ選手は、たいてい1万時間の練習を経てプロになります。でも、その後に「極める」には10万時間が必要とも言われています。
そして、速読練習のための復習をするには、音読復習が最適です。理由は…
・声に出した方が、黙読より圧倒的に脳内に記憶として残りやすい
・黙って読んでたら、知らない間に違う事を考えているか、もしくは寝ている場合も。
・音読の方が、読んでいる個所を明確に意識して集中しやすく、内容も理解しやすい
英検2級レベルの長文を予習なしで、バッと渡したら1分間で150単語ペースで読める所までは練習でできます。
そこまできたら、後は単熟語をしっかりと覚えて行けば、英検準1級や1級の長文も読めるようになります。
難関大学の長文は、長文だけなら英検1級レベルの長文も出ます。
でも、英検準1級ぐらいからは、言っている内容が難しいので、英検2級みたいにサッとは読めない時もあります。日本語でも難しい内容の文章だと多少は返り読みをして確認をするので、同じ現象です。
音読復習を自分一人のペースでするのは難しいです。ぜひ、一緒に音読復習のペースをつかんでみませんか??