共通テストは受けた方がいいのですか?

「共通テストは受けた方がいいのですか?」この時期、よく受ける質問の1つです。

ぎりぎりの成績から本気で私立文系合格を目指す人には、利用しづらい試験かもしれません。

先日、東京の有名私大の説明会に行かれた保護者の方が、「職員の方がこの説明会で、共通テストは受けなくてもいいと言ってました」とおっしゃってました。理由は、おそらく以下の通りです。

共通テスト利用で関関同立に合格するのは至難の業。まず、募集人数が少なすぎます。例えば同志社大学の商学部は募集人数が893名中、共通テストの枠がたった25名。しかも大学によっては共通テストの枠は数学が必要な場合もあります。その上、そこは難関国公立受験者の滑り止め利用になっています。つまり、大阪大学や神戸大学に行く人たちの滑り止めなので、彼らと戦わないとダメなのです。おまけに、社会も難関私大と比べると易しく、ここを得点源にすることもできません。

とはいっても、「共通テストは絶対に受けろ!」という高校もあると思います。おそらく言われる理由は次の2つです。

1)本命の私大受験の練習になる。1回ここで緊張しておけば入試に慣れる。
2)可能性が広がる

実際に、難関私大合格者で共通テストを受けた生徒に「どうやった??」って聞いたことがあります。すると、ほとんどの生徒は、「試験問題の傾向が違うから慣れることはない」、「可能性は…全然広がらない」、「時間が無駄だった」、「お金が無駄だった」…という答えでした。

まず、共通テストと私大入試では、問題形式が違い過ぎます。例えば関関同立狙いの人は、共通テストの対策なんて全くやってません。それで、点数が思うように伸びなければストレスだけが残ります。
また、共通テストの後、関関同立の入試までは2週間あります。たとえ共通テストで多少緊張しても、2週間もたてばリセットされます。また共通テストで受かるとは思えないので、全然緊張もしなかったという生徒がかなり多くいました。
多くの生徒が言ってたのは、「関関同立が始まる前の2週間で、必死で社会を詰めている時に、共通テストで1日を潰されてペースが狂った」という生徒がかなりいました。中には、社会の詰め込みのペースが狂うのが嫌で、共通テストのお金は払ったけど、受けに行かなかった生徒も多数いました。高校の先生に無理やり受けさせられていたら、これはもう泣き寝入りです…。
また、「可能性が広がる」は逆で、共通テスト利用で下の方の大学に願書を出しても、それは「人生の可能性が限りなく狭くなる」ということです。本気で関関同立に行きたい人の可能性は、広がらないってことです。下の方の行きたくない大学に願書を出せるチャンスがある…という程度なので、関関同立に行きたい人には関係ないことです。

本気で関関同立を狙うなら、一般入試の対策が不可欠です。ここにかなりの時間がかかります。共通テスト対策の時間はないでしょう。

ただ、1つだけ気になるのは2月5日の関学独自入試です。これは英語だけを関学に2月5日に受験をしに行きます。社会と国語は共通テストの結果を利用します。この形式は2月5日だけです。そして、ちょうど2月5日から同志社の試験が始まるのです。だから2月4日まで関学を受けていた同志社志望の受験生が、2月5日からいなくなる可能性が高いのです。それで、2月5日の関学は受かりやすいのでは?という読みで、この関学の独自入試を受けるために、共通テストを受ける生徒もいます。ただ、この形式は2月5日のみなので、その1回のために共通テストを受けるのは面倒くさい…と思う人は、この日は同志社を受けるか、お休みです。そして、初日の同志社の全学部日程の「政策学部」は穴場なことも多いので、同志社志望の人は、ここは外さず「政策学部」を受けてください。

結論

本気で関関同立を狙うなら、勉強がギリギリの現役生は受けるよりも本命対策を!

勉強に余裕がある浪人生や2月5日に関学を受ける人は、受けておいてもいいでしょう。

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