実力アップに結び付ける英語長文の復習方法

実力アップに結び付ける英語長文の復習方法

まず、英語長文の復習に集中する理由を、以下の流れでしっかりと把握してください。

英語の受験勉強は、英語長文の復習に集中する理由!
❶大学入試は、難関大学になればなるほど、英語長文が中心。
❷英語長文は「直前の詰め込み」ではどうにもならないので、早めの準備が必要。
❸「英語長文ができる!」とは?…難解な英語長文を入試本番の制限時間内で読み、設問を解けること。『制限時間内!』がポイント
❹「制限時間内で読む」には?☞ 速く読むことです。
❺「速く読むには?」☞ 和訳をしないこと!です。
つまり This is a pen. I have two dogs. を見て和訳をして理解した人はいないはず。見た瞬間に分かるはず。難関な英語長文でも、このレベルで(日本語を使わずに)理解できる!…というのが理想なのです。
❻ この理想に近づくには何が必要?☞ 速読の練習が必要なのです!!
❼ そして、この「速読練習」とは復習なのです!!
だから、英語の実力が伸びる所は、《復習!》なのです!!

つまり、受験の英語にとっては、予習は百害あって一利なしなのです。

では、この前提で、『復習(練習)が大事だ!』ということで、「復習」の方法を紹介していきます。

①試して、確認!

まずは、辞書は絶対に使わずに、制限時間内でどれだけ英語長文ができるか?と、今の自分の実力を試す。できなくても大丈夫!できなかった事は、全部復習として取り込みましょう!

②授業でメモをしっかりと!

復習を確実にするために、授業を聞きながら、しっかりと英語長文にメモをしていく。
▼わかっていることはメモをしない。むしろ復習の時に思い出す方が記憶の定着には効果的なので「後から思い出せる」と自信があれば、メモは不要。わからない所だけメモをしてください。
▼ピンクの文法の本のNoや章やページが紹介されたら、その数字もそこでメモ。
後からピンクの文法の本を見て確認してください。(熟語や単語も同じ)

 

③「復習の具体的な進め方」の説明で使う英文を、まずは紹介

この英文を例にして復習の仕方を説明します。明治大学で出題された長文の冒頭です。

Anyone who is dreaming of a trip to the moon can get a little foretaste of it by climbing about on the dead volcanic cones of Easter Island. Not only does his own hectic world seem immeasurably distant, but the landscape can easily give an illusion of being on the moon.

まず、授業での説明はこんなセリフになります。
⑴『Anyone で斜線。最初の名詞が主語だから「誰もが」と頭に刷り込んでおいてください。主語は「は」や「が」をつけて忘れないように頭に刷り込む。主語は大事なので、動詞が来るまで絶対に忘れたらあかんよ!じゃ、次に who が見えたけど、 who は関係代名詞。関係代名詞は名詞を説明するだけの物。だから関係代名詞のグループ中には絶対に文全体のSVOCは無いよ!じゃ、who から手前のAnyoneに下から矢印をかけておく。「どんな Anyone?」って思って次を読んで行く。 who is dreaming of a tripで斜線。「両行の夢を見ている」、どこに?? … to the moonで斜線。「月へ」、… can get a little foretaste of it で斜線。「 can get の所が文全体の動詞や!」って気付いたら、最初に頭に刷り込んだ主語だけパット思い出して「そんなAnyone は少し予測ができてる」てんな…、と心で思うこと。 foretaste は予測。it は月の事。だから「少し月の事が予測できている」となります。じゃ、なんで?? by climbing about で斜線。「ぶらぶら登ることによって」、byは前置詞、前置詞の次は絶対に名詞。だから clime にing を付けて動名詞にしている。 about は副詞で「あたり、ぶらぶら」とかの意味。じゃ、どのあたり??  on the dead volcanic cones で斜線。 on は前置詞だから名詞までワンセット。 theは冠詞で冠詞も名詞につくので、次の名詞は? dead は「死んだ」っていう意味の形容詞、 volcanic は?「火山の」という形容詞。…ic とか、tive とか ful とかで終わればたいてい形容詞。 cones で複数形名詞。なので on から cones までの5単語がワンセット。「死んでいる火山を」つまり「死火山を」by climbing about で「ぶらぶら登ることによって」、どこの死火山? of Easter Island. 「イースター諸島の」…。みんなメモできた??じゃ、もう1回ザーッといくよ。』

⑵『Anyone 誰もが who is dreaming of a trip 旅行の夢を見ている to the moon 月へ、そんな誰もが、can get a little foretaste of it 月の事を少し予測できる by climbing about ぶらぶら登る事で、on the dead volcanic cones 死火山を of Easter Island.イースター諸島の 』

⑶『じゃ、次の文章行くね。 Not only does his own hectic worldで斜線。not only A but also B 「AだけでなくBも」は超有名熟語。ただ、否定の言葉が来たら、次のSVの所で倒置が起こる。倒置といっても、単純に逆になるのではなく、SVの倒置は疑問文と同じ形。 he is なら is he,  he plays は plays he はなくて、does he play 、なので次の does は倒置のサイン。その次の his own hectic world が主語です。これは文法の問題でもよく出るので絶対に覚えておいてね!設問形式としては、 Not の次に、( )( )( )( )( )があって、2つ目と4つ目に入る語句を選びなさいとか、並べ替え問題とかで出ます…(以下省略)』

Anyone /who is dreaming of a trip /to the moon /can get a little foretaste of it /by climbing about /on the dead volcanic cones of Easter Island.  Not only does his own hectic world /seem immeasurably distant, /but the landscape /can easily give an illusion / of being on the moon.

④授業直後の「復習の具体的な進め方」

⑴ 復習の第1段階《メモをしたプリントを見て同時通訳》

授業が終わったら、すぐ復習!
授業が終わるとすぐに、メモをした長文プリントを見ながら同時通訳方式で復習を始めてください。

「同時通訳方式」とは、授業でメモをしたプリントを見ながら、だいたい斜線で切ったグループごとに「英語→日本語→英語→日本語…」と声を出して読んで行くことを言います。

つまり、さっき解説した、③の⑵と同じように読む方法です。英文を読み過ぎて、後ろから戻ってこない!ということが大事です。これだと和訳になります。授業後すぐに何回かこの方法で読んでみて、もう日本語を言わなくてもわかる所は英文だけ読んでOKです。
目的:英文の構造を把握する。和訳ぐらいは最低でもできるようにしておく。

⑵ 復習の第2段階《メモをしたプリントを見て英文だけ読む》

2日目ぐらいからは英文のみ!
2日目からは、授業でメモをしたプリントを使い、英文のみを読んでいきます。この時、内容的な事はパット心の中に思い浮かべることができて、理解しながら読んでいけているかを確認しながら英文のみを音読していきます。
目的:日本語的な理解をなるべく消していく。なるべく。脳の中で、日本語を溶かして英文のみを残すイメージです

⑶復習の第3段階《白文プリントを見て英文だけ読む》

3日目ぐらいからは白文で英文のみ!
「白文」という言い方は、復習用に渡しているメモをしていない長文プリントの事です。つまり、授業で書き込んでいる斜線や単語などを見ずに音読復習をしてもらいます。この時、やや不安なら同時通訳読みをしてから、英文だけを読んでも構いません。初日から段々と負荷をかけていっているのです。この日に数回音読復習した後には、1分間で英文を150単語のスピードで読み進んで、内容も理解できる…というのが理想です。あくまで理想なので、このレベルへの到達が1日や2日ぐらい伸びても問題はありません。
目的:英文のみをスピーディーに読み進めることができる。英語の反射神経を鍛えていると思ってください。

⑷復習の第4段階《英文を読んだ後に思い出す作業》

日目ぐらいからは、長文の中の熟語や文法事項を思い出す作業をする!

授業では長文の中で出てきた文法事項も数多く説明しています。問題形式も紹介しています。授業で紹介した文法事項を思い出すことで数多くの文法の知識を覚えることができます。だから、この勉強方法を推し進めるとネクステージ(ネクステ)やヴィンテージやスクランブルや英文法ファイナルなどの文法の問題集は、とりあえずは不要となるのです!

とりあえず…というのは、文法問題は配点が少ないゾーンで、英語長文が配点の多いゾーンと考えると、先に配点が大きい英語長文を鍛える方が得策です。そしてその中で覚えた文法事項を確認するために、試験の直前で上記の問題集を確認でサッと使います。たとえ間違っても、ほとんど知っている知識が多いはず。もしくは、上記の問題集は全くしなくてもいいぐらい。その代わり、受ける大学を絞って、その大学の過去問題はたくさんやってください。

通常、藤井セミナーの教室に通っている生徒は、週に2回の授業で進めています。なので、4日目からは次の長文に入っていきます。でも、復習は1週間継続します。
だから、4日目までに、前の長文の復習が楽になっておかないと、次の長文の復習も始まるので消化不良を起こしてしまいます。
だから4日目には「読んで理解するだけなら楽勝!」という状況を作っておくのが理想です。そして、この頃になるとトータルで15回前後は読んでいると思います。なので、ここから長文速読力の他にも、文法や熟語などの知識も長文を通じて入れて行きます。
やり方は簡単で、1回白文で長文を読んだ後に、「何か、単語、熟語、文法事項など覚えているかな…ん」と思い出す作業をするだけでOKです。書き出してもいいですが、最初は口頭で思い出す作業の方が楽です。

例えば、「Anyone who で関係代名詞が主語にある文章が最初にあったな…」とか、「Not only A but also Bの有名熟語があった…」とか、「あ!、そこ、否定の言葉が最初にきたから倒置が起こってた!」とか…。(③の⑶の説明の所です!)
このようにして、長文の中で説明した文法事項や熟語や構文などは、全部覚えてください。どっちみち覚えなくてはならないので、長文を利用して全部勉強を進めた方が効率いいのです。一石二鳥ならぬ、一石三鳥、四鳥…を狙っていきます。

さらに、調子がよければ英文をまるごと言える個所も出てくると思います。最初は語句だけから始まっても、その前後も自然と思い出して英文が言えるようにもなります。そしたら英作力にも抜群の効果を発揮します

目的:英語長文の音読復習を徹底することで、英語の全ての勉強を進めていきます。英語長文の復習1つで、文法、構文、英作など、英語全ての力をアップさせることができるので、英語長文に絞った勉強方法はかなり効率的な勉強です

※この日から、教室に通っている生徒は、新しい長文をやっているので、復習する長文は2種類になります。今日やった長文は、また⑴ 復習の第1段階は《メモをしたプリントを見て同時通訳》』からスタートしていきます。

⑸復習の第5段階《さらに読むスピードを上げて、思い出す作業を進める!》

日目以降は、4日目のパターンを同じです。
ただ、さらに音読スピードをアップさせて、読んだ後により多くの事を思い出せるようにしていきましょう。この時「丸暗記をしよう!」とか、思わないように。何回も何回も読んで行く過程で、自然と頭に入って来たので、後から英文をそのまま言える…という状態が理想です。音読をしてて、口の回転が間に合わないようだと、もう黙読に切り替えてもいいです。

このようにして1週間で、色々な読み方をしながらトータルで30回ぐらいは音読を中心にして1枚の長文を読み込んで行ってください。

 

⑤復習の基本は、『音読』復習が基本です

全ての復習は、「音読」を基本として行ってください。声に出すメリットは数多くあります。
1:人間は黙って考えるより、声を出した方が考えがまとまるようになっている。
2:眠たくなっても、声をだして読めば眠気防止につながる。
3:ネイティブ音声に合わせたシャドウイングがしやすくなる。

ただ、受験の本番では「声に出して読む」事はできないので、最後に2~3回、黙読をしておきましょう。もしくは、復習を通学中にするとか、学校の休み時間でする時に、黙読をしておきましょう。

⑥その他の注意事項

⑴ネイティブ音声を利用したシャドウイング
④で説明した授業直後の復習と平行して、毎日ネイティブ音声を利用したシャドウイングも行ってください。シャドウイングとは、ネイティブの音声を聞いて、ちょっと遅れて英語長文プリントを読むことです。
この目的は3つあります。

1:《スピードアップ!》ネイティブが喋っているペースで、英語長文を音読して内容がわかるようになる事を目標にしてください。
2:《リスニング》このシャドウイングは、かなりリスニング力アップに貢献してくれます!リスニングの訓練は、これだけで十分です。しかもメインの目的が英語長文の速読力アップなのです。その過程でリスニング力も同時に鍛えられるので、非常に効率的!
3:《マンネリを防ぐ》ネイティブの音を利用をすることで、復習のバリエーションを増やせるので、途中でマンネリに陥らずに何回も読むことができます。

⑵する人は、ここまでする!過酷なノルマ…
ある時、こんな浪人生がいました…。『僕は高3の時に英語の偏差値は30や40だったので、人の2倍は努力したい。なので3日目までで20回以上読んで、4日目からは英文のプリントを見ずにシャドウイングができるようにする!』
そして、1年間このパターンで頑張ったこの生徒は、早稲田大学などに合格しますた。そして、大学に合格した直後にTOEICを受けると、TOEICの勉強は何にもしていないも関わらず、700点以上を取れた!と喜んでいました。

⑶細かい文法の勉強は後回し!
「文法をしなくては!」と、ネクステージ(ネクステ)やスクランブルやヴィンテージや英文法ファイナルばっかりしていませんか? もし難関大学を志望するなら、これらの文法問題集はやらない。やっても、年末に確認程度にさらっとする。それまでは、英語長文の音読復習の中で文法知識も蓄えていってください。これらの問題集をやっていいのは、単熟語を覚えて、英語長文音読復習(特に下ので説明する過去長文の復習)が楽になった受験生だけです。
英語長文の中で文法的知識もたくさん詰め込んでおけば、後は、受ける大学を絞って大学過去問(赤本)をたくさんやるべきです。その手間で、ちょっと余裕があれば、上記の文法問題集をさらっとやるのも悪くはない…程度です。

⑦過去長文を1週間で20枚回す!

大学入試の英語力が決定的に、絶対に伸びる方法がこれです!

これは、授業後に1週間で20~30回読む復習とは別で、過去の長文20枚(浪人生は30枚)を1週間で全部読む!という復習です。つまり、毎日3枚~5枚ぐらいの長文を読んでいくのです。

「できる受験生」は、だいたい450単語ぐらいの長文3枚ぐらいを2回ずつ読んで、それにかかる時間は20~30分程度です。

でも、「できない受験生」はかなり時間がかかり、辛いものだと思います。
でも、「できない!」「辛い!」ということは、これができる能力が無いってことです。じゃ、逆にこれができる能力を付ければいいだけの話です。最初は枚数を減らしても、最初はもっと時間がかかっても、これを「ウォーミングアップ程度で30分で3~4枚の過去長文を2回ずつ楽に読めるようになれた自分!」…を想像してみてください。その時には、絶対に大きな英語力が付いています。

これができるようにするのが、「英語の勉強の努力をする」ということです。最初はつらくても、これがだんだんと楽にできるようになります。そしたら、英語に関しては難関大学の問題はしっかりとチャレンジできて、高得点を取れだします。なので、全ての勉強の方向性は、この「過去長文を1週間で20枚回す!」ことに向けて行ってください。

これが辛いってことは、英語の力が無い証拠です。これが楽にできるってことは、英語力がついてきた証拠です。なので、これが楽にできる!ということを目標に英語の音読復習をしていくのです。そのためには、忘れすぎてたら過去長文は回せないので、まずは授業直後の1週間での入念な復習がとても重要。このやり方は④で説明しました。

⑧この英語の勉強方法に「向き、不向き」は無い!

この英語の勉強方法は復習だけなので、誰にでもできます。「向き不向き」なんてありません。また、この方法ができなければ、他にさらに簡単な方法はありません。なぜなら、他の勉強方法は…

・予習が必要
・座って映像を見ている間が勉強時間
・勉強をしてたら眠たくなる…

という勉強方法だからです。

「予習をして、授業を受けて、ろくに復習もせずに英語力を伸ばす!」っていうのは、かなり難しいと思いませんか?

でも、実際は、日本全国のほとんどの受験生は、大手予備や個別指導の塾に行って、このような中途半端で成績が伸びない勉強方法を何の疑問も持たずに繰り返しているのが現実です。

なので、この英語長文速読オンライン塾に入塾したみなさんは、確実に、そして絶対に英語の力が伸びる「音読復習」を中心にして、「過去長文20枚回し」を楽にできるように頑張って下さい!この方法で、必ず難関大学の英語問題は「できる!」ようになります。

 

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