志望大学にE判定でも受かる人は?

まず、模試の判定はあてにはなりません。特に関関同立や、明治や青山のようなGMARCHや、慶応・早稲田・上智などの難関私大を受験する場合には、模試の判定は本当に当てになりません。

①なぜ模試の判定はあてにならないの?

難関私大を一般入試で合格しようと思っている受験生なら、特に模試の判定は当てになりません。まず、模試と一般入試とでは大きく違う点がいくつかあります。

①一般入試は大学を絞って数回受験できる。
(でも模試は1回で1回の結果を出さないとダメ)
②一般入試では、直前に必死にその大学の対策をしてる
(模試の前に対策なんてしない)
③模試と受ける大学の問題数、量、難易度など全てが違う
④最後の模試から入試まで、1~2か月もある
(特に現役生は、その間にもどんどん実力が伸びる)

ちょっと補足説明をします。
①例えば、明治大学に行きたい!とか、同志社大学に行きたい!となれば、その大学の過去問題(赤本など)を徹底的に解いて、時間をはかって練習をするはずです。例えば、同志社大学なら、どの学部を受けても英語は大問で3つで、長文が長いのが特徴です。明治大学は学部ごとに問題が違ってきますが、長文の比重が高いのは同じです。明治大学の法学部は長文しか出ません。そして、同志社大学や明治大学を数回受けて、1回でも受かれば合格!となるのです。例えていえば、野球なら4打数1安打でOKと言えば、OK(今回のトライアウトの新庄選手も1安打で新聞の1面です)。でも、模試は1回で1回の結果を出さなくてはならないので、必ず代打でヒットを打たなくてはならない感覚です。これは、難しい……。

「早稲田に受かった!」とか、「慶応大学に受かった!!」と言っても、5回受けて、1勝4敗だった人も大勢いるはずなのです。だから、模試ができなかったときは、その「4敗」の1つが出たな…と思っておけばいいのです。

②一般入試で大学を受験する場合、必ず時間を計って過去問をたくさん解いて練習をします。そして、その大学の問題の難易度や、出題の傾向などを掴んで対策を練っていきます。部活でも、次の対戦チームが分かれば、相手チームの戦略や戦力を分析して、準備をするはず。同じことです。でも、模試の準備なんて、直前で必死にやりますか?やらないでしょう。

③自分が受ける大学と、模試とでは、時間配分、大問数、難易度、問題量と、どれもが大きく違うはず。試合が野球なのに、練習がサッカーのようなものです。

④そして何より、最後の模試から実際の入試までは、1~2か月の時間があるのです。この間に「絶対に伸びない!」と言い切れますか??今まで頑張ってきたことは、どこかで結果が出てきます。多くの受験生は、高校生活に追われながら勉強をしているので、部活もしていれば、そんなにたっぷりと受験勉強なんてできていないでしょう。だから、ギリギリでグンと伸びる人が多いのです。そのギリギリのタイミングは、もう模試が終わってからです。

だから、以上の理由から、特に難関私大を受験する受験生にとっては、模試の結果なんて、なんの意味もありません。「慶応の判定がA判定だった!」と言って、その模試の結果を慶応大学に持って行っても、入学は認められません。

ただ、国公立受験者が、共通テストの模試を受けて練習をするのには意味はあると思います。あくまで、同じような形式で、練習になる場合のみ、参考とできるのです。

②生徒に代わってお願い…「結果を蒸し返さないで!」

実は、大人の(保護者や高校の先生など)何気ない言葉が、かなり受験生のやる気を削ぎます。わざわざ、受験生のやる気を削ぐことはしない方がよいと思います。

模試で言えば、模試の結果を見て子供を叱ったり、問い詰めたり、「志望大学は受からない!」と否定的な評価をするのは、とてもよくないと思っています。

なぜなら、模試を受けた直後に、もうその受験生は自分の心の中で反省して、「よし!頑張ろう!!」と誓っているはずだからです。

でも、模試が返ってくるのは数週間後です。模試を受けた本人からしたら、もう反省は済んで、次の目標に向けて頑張っている時に、何週間か前に受けた模試の結果を蒸し返すようにして、小言を言われたり、叱られたり、問い詰められたりします…。これでは、やる気をなくすのも当たり前です。

なので、模試の結果が悪かったら、「模試の結果」に関して何かを言うのはやめた方がいいと思います。結果が良かったら、自信を持てるように褒めてあげてください。

③E判定でも難関大学に受かる人は?

まず、模試の判定や偏差値は、強い想いだけでは上がりません。具体的に、継続した行動を伴わない限り上がりません。

今まで、多くの生徒を見てきて、E判定でも受かる生徒は、次の様な生徒です。
①土台がしっかりとできている
②メンタルが強い
③逆算して準備ができる

では、また①②③の補足説明です。

①土台がしっかりと出来ている…は、例えば英語なら、単熟語をしっかりと覚えて、毎月毎月、暗記した単熟語の量を増やしていっている。ゴールは、受験で必要な単語約2000、熟語で1000ぐらいからランダムに出されても、8割以上はサッと英語を見て日本語が言える状態になっている。そして、音読復習を取り入れて、英語長文を速く読む練習をしっかりと積んでいる。
英語を速く読む練習方法はこの記事を参考にしてください。

②メンタルが強い…は、「目標を設定したらブレない心の持ち主」ということです。受験生なら、誰でも不安になります。そして、不安になって「受かるかな…、滑るかな…」と気になって気になって、勉強がはかどらなくなる生徒も大勢います。でも、メンタルが強い受験生は、「頑張った結果は、なるようにしかならん。とりあえず頑張るだけや!」と割り切って頑張ることができます。

また、メンタルが弱い受験生は「もう、このペースだと英単語の暗記が間に合わない…」とか「世界史の暗記が間に合わない…」と考えて、結局全てを投げ出してやめてしまいます。
一方でメンタルの強い受験生は「1回のテストで世界史の全ての範囲がでるわけないねんから、自分ができるところを確実に増やしていこ。それで、全部ができなくて試験の日が来たら、それは仕方ないやん。」と割り切って、淡々と着実に勉強を進めて行きます。

受験勉強で、ビクビクしたり、そわそわしても、損ですよ!

そんな人は、こう考えてみては??

自分が大学に落ちても受かっても、地球はそのまま回転し続ける…

何も変わらない…。なんて、受験勉強ってちっぽけなことなんやろ…。

この感覚、わかります?
こんな感じで、何かでっかいことを考えて、相対的に今の悩み事を小さくすると、落ち着くこともありますよ!

③逆算して準備ができている…は、②のメンタルとも関係あります。
受験が近づけば近づくほど「何をやったらいいのか分からない!」となる人が大勢います。なので、まだ冷静に考えられるうちに、入試前の3日間は、これをする、入試前の2週間はこれをする、とか、今のうちに勉強のスケジュールを決めておいて下さい。

そして、後はそれにのっとってやるだけ!…にしておけば、「何をしたらいいか分からない!」ってソワソワしたら、パニックになることも防げます。

部活の試合も、必ず試合から逆算して練習メニューを考えるはず。それと同じです。そして、全部できなくても、「満点を取らなくても受かる!」「1回の試験で全範囲が一気に全部出るわけはない!」と考えて、完璧主義者的な考えはやめて頑張りましょう!

④A判定でも滑る人は?

判定がよくても滑る人は、「過去問対策の手を抜く人」です。

一般的には、模試の判定が良いので学力は高いと思います。でも、その模試のレベルと、自分が受ける大学の問題のレベル(難易度)は同じですか?

もし、自分が受ける大学の問題レベルが高いなら、もっと英単語を覚えるとか、もっと世界史や日本史の難しい用語を覚えるとかしなくてはなりません。
また、もし、自分が受ける大学の問題量が模試より多いのなら、時間を計って速く解く練習をしなくてはなりません。

だから、受ける大学を絞って、その大学の過去問を時間を計って練習をする事が、最後の1~2か月では非常に重要です。これは、基礎的なルーティンとしている勉強をした上でやっていくのが理想です。例えば、過去問ばっかりしていても、単熟語をどんどん忘れていく…とか、長文音読復習がおろそかになり、基本的な速読力が衰える…ということも起こるからです。

⑤じゃ、何を基準にする?

「模試の判定が当てにならないなら、では何を基準にするのですか?」
という質問があるかもしれません。用意している答えは2つです。

① 自分の勉強のレベルと、大学の過去問の結果
② 基準なんていらない!行きたいところだけ受ける!!

また①②の補足説明です。

① 自分の勉強のレベルと、大学の過去問の結果
まず、自分の勉強の努力ゾーン(暗記の分野です)の達成度をしっかりチェックすることが大事です。これが、受験レベルに到達しているかどうか?です。
例えば、英語なら、単熟語を受験レベルの3000単語ほどから、どれを出されても8割以上はサッと英語を見て日本語を言えるか?、英語長文の復習をしっかりとやって、過去に解いた英語長文はどれも(もしくは最低20本ぐらい)が、英語だけを音読して頭にどんどん内容が入ってきているか?です。英語に関しては、この2つができていたら、いつ実力がボン!と伸びてもおかしくない状況でしょう。

そして、受ける大学の過去問を時間を計って解いた結果です。例えば、20分ぐらいオバーしてても、合格最低ライン付近に近づいているなら、受験で受かる可能性は非常に高い。

ほとんどの生徒は、過去問題を解いている時より、受かって来た時の方が断然、得点率は高いのです。直前の詰め込みと、本番ならではの集中力アップが理由です。

なので、「自分の暗記と練習のレベル」が受験レベルに達していて、過去問でボーダーライン近くまで取れているなら、自信を持ってその大学を受けましょう!私学文系なら、複数回受験が可能なので、できるだけたくさん受けた方が、当然合格率はアップします。

② 基準なんていらない!行きたいところだけ受ける!!
これは、高校3年生(現役生)の受け方で、実は一番お勧めな方法です。
もう、判定や基準なんて、どうでもいいです!!
大学の4年間は、人生の中ではかなり重要な4年間になります。
なので、妥協するのは良くない!

もう、行きたい大学だけ、ずどーん!と、そこだけ受けるのです!

判定も、過去問の点数も気にしない。高校3年生は、今年ダメでも、来年もチャンスがあるのです。1浪なんて、30歳や40歳になってみれば、なんの影響もこれっぽちもありません。
特に、大学3年生の就職活動の時には、学歴フィルターというものがあり、「現役か浪人か?」なんて、どの会社も、誰も気にしません。それより、どの大学か??ということがかなり重要となります。

だから、関西圏なら、最低でも関関同立、首都圏ならGMARCH、は絶対に入学しておきたいところです。そして、ダメなら浪人してもう1回頑張ればいいのです。

関関同立やGMARCHなら、1年本気で、正しく頑張れば、必ず合格する!…と、多くの人は意見が一致するはず。特に、これらの大学の卒業生は、ほとんどの人がそう思っています。これらの大学は、努力だけで受かる大学です。

高3の時の偏差値や勉強のレベルは、全く関係ありません。1年も学校にもいかずに受験勉強をするんだから、余裕でこれらのレベルには到達できます。しかも、たった1年だけ頑張るだけで、学歴フィルターを回避できるなんて、どれだけ美味しいねん!!とも思います。

大学3年生の就活の時、30歳、40歳…となって振り返ったら、浪人してでも関関同立やMARCH以上に行っておいて、本当によかった…って、絶対に思うと思いますよ!もちろん、浪人して頑張ったら、早稲田や慶応も十分射程圏内に入ってくるはずです。

…ということで、高3の現役生は、「行きたい大学だけ受ける!」
そして、もしもダメなら、1年だけバッと勉強して、再チャレンジ!!がベストの選択です。

滑り止め大学に行ったら、もうチャンスはなくなりますよ!

 

英語長文が苦手な人は、長文音読復習を勉強のメインに据えて頑張って下さい!
そうすると、必ず、英語全体のの成績はアップします!
一番効率的に、しかも確実にアップします!!

 

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