大学受験:過去問の上手な利用の仕方

受験で合格していく人たちは、時間の使い方や赤本や青本、そして東進ハイスクールの過去問サイトの使い方が上手です。
彼らは、最初から上手だったわけではありません。少し考えてみましょう。

過去問の使い方 悪い例

・時間を図らずにやっている
・自習室であってもだれも横で赤本を解いていないプレッシャーのかからない状態でやっている
・第一志望の大学の赤本と滑り止めの赤本のバランスが取れていない
・自分の部屋など、くつろげる場所で、一人で解いている
・センター試験が終わった1月末から慌てて私大の赤本をする

一番下のものは、国公立志望の人は仕方がありませんが、最初から私大を受ける人は1月からだと厳しいと思います。

もっと最悪な場合は…

赤本をやる時間がなかった。

と言って

受験まで1年分くらいしか解かない人がいます。

勉強だけでなく、「時間がなかった」という言い訳をする癖がある人は、その言葉を使うのをやめましょう。

「やっている人」は忙しくても時間を自ら作っているから出来ているのです。

要するに 時間は作らなければ存在しない

時間が無かったという人は「時間を作らなかった。」または、自身の優先事項の中で上位では無かったというだけの事です。

大人になって仕事に就いてもその癖が抜けないと仕事がまだ終わっていなくても明日でいいや~といって「お酒を飲んでいたり」、「ゴルフに行ったり」、「遊びに行っていたり」

本人は納得して、周りの人も優しく聞いてくれても、本質は見抜かれています。

仕事は一番忙しいヤツに頼む -会社が絶対手放さない人の条件【三井住友海上 柄澤康喜社長】

忙しい人間ほど、限られた時間内に多くの案件を処理するスピードが要求され、決断力が研ぎ澄まされているからだ。

部下には常にこういった。「テニスでいえば、自分側のコートにボールを置くな。常に打ち返し、次のところにボールを投げろ。ビジネスは時間軸が重要だ」。私自身、若いころは上司からそのような使われ方をしてきた。ボールは自分のところに溜めず、すぐ打ち返す。それが、忙しいなかで自分の時間をつくる最も有効な方法だった。

もちろん、すべて成功するとは限らない。失敗もある。ただ、早く決断すれば、早く失敗を察知し、問題点を修正して次善策を打てる。「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」とは、野村克也・東北楽天イーグルス元監督がよく口にした名言だ。特に勝因もなくたまたま勝ってしまうこともあるが、何の理由もなく負けることはなく、負けには必ず要因がある。

敗因にいち早く対処するためにも、決断力とスピードが重要なのだ。

ここまでPRESIDENT 2014年2月17日号 引用

受験においても先ずは、どの大学の赤本をやるのかを決断しましょう。
そして「何学部」「何年」やるのかまで具体的に決めるようにしましょう。

具体的に赤本のやり方の例

目次

①まずは解く順番 学部決め
②解く順番
③記述式の対策
④データを集める
⑤適切な赤本を開始するタイミング

①まずは解く順番 学部決め

例えば

早稲田
商学部10年
社会科学部10年
教育学部10年
文化構想学部5年

と決めたら、商学部2017→社学2017→文構2017

と、解く事はやめましょう。

なぜならば、こういう解き方をしてしまうと商学部の型=時間配分を上手く頭に叩き込めないからです。

例えば、寿司屋さんでバイトした人から聞いた話ですが、そのお寿司屋さんではテイクアウト用のお寿司と店内用のお寿司ではシャリの大きさが若干異なるそうです。

そこで、先ずは店内用のお寿司だけを握ってその型を覚える練習をするそうです。

つまり、早稲田大学の商学部と社会科学部では問題のバランスつまり正誤問題の有無など若干問題構成が違うため、題問1に掛ける時間、題問2に掛ける時間・・・とそれぞれ違ってくるために、商学部だけで3年連続とか5年連続などその型を覚えるまで縦でやった方がよいでしょう。

②解く順番

解く順番も1番から解く必要は当然ありません。

センター試験でも直前まで5割前後しか取れなかったある昔の生徒に4番から解いてみたら?とアドバイスをすると急に70%近く取れだした、という例もあります。

それぞれ得意なものから解いてくのもありでしょう。

③記述式の対策

社会であれ、英語であれ、記述式の問題が出る場合いきなり書いてるより、赤本の解答を音読してみるのが効果的です。

早稲田の商学部に合格した人は、赤本だけでなく青本や東進ハイスクールの過去問のデータベースをみて模範解答を見比べて、良いものを真似るというやり方をしたそうです。

④データを集める

例えば、立教大学の正誤問題を練習していた男の子に、立教の正誤問題の特徴はわかったの?と聞くと

三単のSが結構出るんですよ~あとは意外と形容詞と副詞などの品詞ですね~」と言っていました。

また、別の浪人の男の子は早稲田の社学で出た正誤問題を全部研究していて、

(早稲田の社学の正誤問題は10問で誤りがなければno errorを選べという問題が約15年間出され続けている)

今までにno errorは各年で15年間で2度を除き全て2個ある
そのno errorが1問目から来ることはない
前置詞が答えになったのは〇〇問
品詞は・・・
時制は…

などめちゃくちゃ細かな分析をしています。

こういったことを踏まえた時に、最初に述べた悪い例の中で赤本を1月からやった人は勝てると思いますか?

⑤適切な赤本を開始するタイミング

こればかりは浪人の方が有利ですが、現役生の場合でも少なくとも9月から赤本をやる方が良いでしょう。

なぜならば、30年前までの大学受験の勉強法は割と画一的でした。

国公立なら東大、私大なら早慶を狙っていればどこかに引っかかるという受験スタイルが一般的であったと聞いています。

だけど、昨今の入試では細分化だけでなく、私大が難化したと叫ばれておりますが、(これは色々ありますので別記事を読んでください。)

私が感じるもう一つの要因はやはり、進学率の増加と地方の国公立の不人気さだと思います。

これについて書き出すと長くなりそうなのでここまでにしておきますが、宮崎県など地方の高校生が昔よりも宮崎大や熊本大よりも都会の青学や明治大学に憧れています。

彼らは、最初から明治大学志望であったり中央大学志望であったり、と本命を決めてから受験勉強を開始している傾向が強い気がします。

つまり、最初から明治大学の志望者で9月には赤本、青本、そして東進ハイスクールの過去問サイトを開始して明治大学がどんな問題を出すのか、というデータを集めている受験生に勝てますか?

さらに、明治大学の商学部の型をしっかりと練習している受験生に勝てると思いますか?

野球でいうと、たとえダルビッシュ有選手であっても、初球はストレートの内角低めに必ずくるという事が分かっていれば、素人でもバットに当たる可能性はありますが・・・

何が来るか分からない状況なら100戦錬磨の大リーガーでも苦労する可能性があるのです。

なので、今年の私大が本当に難しくなって入りにくくなっているのか?

でも書きましたが。

「東洋×、早稲田」「明治×、東大文2

という状況が起こってしまうのです。

最後に、常に優先事項と受験までの日数を逆算しながら赤本のやる年度と順番のバランスをとっていく必要があるでしょうがなるべく赤本を調べるという事は早めにやっておいて損はないでしょう。これは志望校が決まればすぐにやっても構いません。

実際に解き始める適切なタイミングは単語の暗記が70%、熟語の暗記が50%くらい

社会は3周したくらいから解き始めるのがベストですが9月を超えると、そんなことも言っていられないでしょうが、まだノルマ達成が出来ていない人も赤本と同時並行やっていく必要があるでしょう。

最後にもう一度言いますが

時間は作らないと無い

のです

 

「忙しい」「時間が無い」というのは 「やっていない」「やりたくない」「優先していない」「優先したくない」という現れです。

最後に

イチロー選手ですら、自分のプロ野球選手としての身体の使い方やバランス、そして強みを理解するまでにプロに入って6年は掛かったと昔、稲葉さん(現、侍ジャパンの監督)とのインタビューで語っていました。

そう、あのイチロー選手はプロ3年目で首位打者をとっているのに6年は失敗していたと言っています。

早稲田大学に合格した人たちですら、最初は失敗の連続だったと言っている人もいます。

「正しい努力は人に聞かなければわからない」

という事はよくある事なので、やはりこの辺りもよく質問に来てくれる生徒の方が上手くいっているように感じます。

そう、失敗なくして成功はありません。だけど、先人たちの失敗から学べる事も多いと思うので、失敗していった人たちの特徴をみていきましょう。

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